株式会社 冨士カンテイ(大阪市)の不動産コラムです。
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不動産コラム
2013.06.06
立ち退き料と借家権

借家権とは、借地借家法が適用される建物の賃借権をいい、不動産鑑定評価基準(不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行うに当って拠り所となる統一的基準)においては、立退きに際しての借家権価格については、補償の原理に基づいて把握される経済価値として認識しており、次のように定義されている。

「借家権の価格といわれているものには、賃貸人から建物の明渡しの要求を受け、借家人が不随意の立退きに伴い事実上喪失することとなる経済的利益等、賃貸人との関係において個別的な形をとって具体的に現れるものがある。この場合における借家権の鑑定評価額は、当該建物及びその敷地と同程度の代替建物等の賃借の際に必要とされる新規の実際支払賃料と現在の実際支払賃料との差額の一定期間に相当する額に賃料の前払的性格を有する一時金の額等を加えた額並びに自用の建物及びその敷地の価格から貸家及びその敷地の価格を控除し、所要の調整を行って得た価格を関連付けて決定するものとする。」

この様に不動産鑑定評価基準では、補償の原理に基づいて借家人が事実上喪失する経済的利益及び利用権の消滅補償の内容が借家権価格を構成しているものと考えられており、所謂立退き料の概念と大部分において重複している。
ところで、立退き料の概念において当然に含まれるべき移転費用や営業補償(営業休止、営業廃止)については、不動産の経済価値とは直接関係ないものであり、本来借家権価格を構成するものではないが、上記の“借家人が事実上喪失する経済的利益”を直接評価することは困難であり、これに関しては借家人が代替不動産への入居に要する費用を基準に算定されることが一般的となっていることから、移転費用については、実質上借家権価格に含めることが通常である。
但し、営業補償については、やはり不動産に帰属するものではないので、これらを含む立退き料の算定を依頼された場合には、幣所においては意見価格として提示することで対応しているのが実情である。

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