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2013.04.22
固定資産税の減額 建物

前回は土地に係る固定資産税の減額について述べましたが、今回は建物について考えてみたいと思います。

結論から言うと建物についても土地と同様に固定資産評価基準に則って評価されている為、基本的には減額をすることは難しいでしょう。しかも建物については、市役所等の担当者が施主(所有者)から提示された設計図書及び現地調査等を基に各建築資材に係る数量やグレードを拾い出し、当該評価基準において定められた資材ごとの建築単価(評点)を以って評価されていることから、鑑定士等の第三者が評価の過程で介入することが全くありません。

ですので、当該評価基準が市場実勢を反映しているかどうかは別として、そもそもの評価制度を争わない限り、基本的には減額することが難しいものと思われます。

ただし、実際には以下のようなケースにおいて減額がなされる場合があります。

①構造や用途の適用ミス
建物については3年置きの評価替えの年度に、建築経過年数に応じた減価(償却)が行われますが、これは構造(木造、鉄筋コンリート造等)や用途(居宅、店舗等)によって償却する年数がそれぞれ異なって規定されており、この適用を間違っていると自ずと評価額も変わってきて、実際よりも評価額が高くなっているケース。

②採用数量やグレード適用のミス
基本的には上記の通り施主から提示される設計図書等により数量を拾い出しますが、そもそもこの数量の適用を間違っている場合や、担当者の判断が介在するグレード適用が実情と合っていない場合などがあり、結果的に過大な評価額となっているケース。

③現状に応じた損耗減価の判断ミス
経過年数以上の特別な損耗が現況において発生している場合等においては、これに応じた減価を加えることになっておりますが、市役所等のサイドでは、基本的にこれらについて把握しきれない状況にあることから、当該減価が加えられていないケース。

④計算ミス
固定資産評価については、膨大かつ複雑な手順によりなされており、年金問題と同じように転記ミスや計算ミスが少なからずあり、過大な評価額となっているケース。

以上が代表的な減額できるケースですが、これらをチェックするのは根本的に毎年役所等から送付されてくる納税通知書等ではなかなか判断がつかないのが実情です。特に上記②③④については役所等に備え付けの評点計算表等の評価内訳計算書を入手し、かつこれと設計図書等と照合しない限り判断がつかないものであります。

では、実際に減額できるケースは一体どの程度存在するのでしょうか?
弊社では過去に1,000件近い減額調査をさせて頂きましたが、減額可能案件結果としては5%にも満たない数%となっております。これが多いか少ないかは皆様の判断に委ねますが、少なくとも減額できるケースがあるというのが実態です。

なお、いずれにしても市役所等の適用・判断ミスがなければ減額することは難しいと思われますが、根本的に固定資産評価基準が市場実態に応じたものになっているかどうかについては、時価を判断する我々不動産鑑定士にとっては疑問を抱かざるを得ないケースも多いと感じております。

【関連記事】
固定資産税の減額について(土地編)

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