株式会社 冨士カンテイ(大阪市)の不動産コラムです。
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不動産コラム
2013.03.19
不動産鑑定評価書の見方について

不動産鑑定評価書を読み解く上で、まず押さえておかなければならないことは、その構成で、基本的には次のような流れになっています。

評価条件⇒定性分析(一般的要因・地域要因・個別的要因の分析)⇒定量分析(評価手法を駆使しての具体的な試算)⇒評価額の決定。

この内、評価条件については、鑑定書において最も重要な部分といっても過言ではありません。すなわち、対象不動産がどのような前提条件に基づいて評価されているかという評価方針の内容が記載されるところで、これ如何では同じ不動産を評価していても全く異なった結果が得られることから(例えば同じ土地評価でも、地上建物の存在を無視して土地のみを評価しているケースもあれば、地上建物の存在を所与としてその土地部分を評価しているケースもあり、両者では求められる結果が異なることもある)、鑑定書を読み解く上で特に押さえておかなければならない部分です。

次の定性分析については、一般的な経済情勢等を含めたより広い視野からの分析から、対象不動産へと徐々に範囲を狭めていく形で分析を行うところであり、ここで目的とすることは、対象不動産の最有効使用、すなわち対象不動産が経済的にみて最も有効利用される状態が何なのかを判定することにあります。これは不動産の価額が最有効使用を前提とした価額で形成されることから、評価の根幹部分となるものであり、この判定内容について特に注視する必要性があります。ですので、鑑定書を読み解く上で、この最有効使用を判定するまでの経緯が解かり易くかつ論理矛盾のないように書かれていることが、鑑定書の良否を決定付ける要因の一つと言えるでしょう。

ではこれら定性分析を踏まえて具体的な評価手法を用いて価格を試算することになりますが、基本的には当該手法については費用性・収益性・市場性の3面からのアプローチとなります。具体的な手法については、ここでは述べませんが、大抵の場合これらの価格の間には乖離が発生することとなり、既述の最有効使用との関係で、どの試算価格に説得力があるかという分析を行って、求めるべき結果を導くことになります。なお、ここで重要なのは、『なぜ乖離が発生するのか』、結果を導くに当って『どの試算価格を重視したのか』という説明が十分になされていることであり、ここの説得力が鑑定書の良否を決定付ける最大要因と言えるでしょう。

もちろん既述の定性分析による最有効使用の判定と、ここでの定量分析とが矛盾なく論理展開されている必要性があることは言うまでもありません。但し、定量分析をみて定性分析との矛盾等を見出すことは専門家以外の一般の方にはやはり難しい面があるのも事実で、鑑定書に疑問を感じられることがありましたら、専門家にご相談していただければと思います。

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