株式会社 冨士カンテイ(大阪市)の不動産コラムです。
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不動産コラム
2015.08.31
住宅ファイル制度

今、中古住宅の市場の活性化が取り沙汰されている。
日本における中古住宅の流通量は、新築住宅を含めた全住宅流通量の凡そ15%程度であり、この水準はアメリカ、イギリスの両国が90%近いことからすると極めて少ないものと言える。
これには様々な問題があげられているが、まず最初に考えられることは、木造住宅については築後20年も経てば価値がなくなってしまうような取引慣行があり、リフォーム等を行ってもこれが価値に反映しないことが多く、場合によっては住宅ローンの残債より高く売却できないことや、買い手側の情報不足(中古物件の詳細な状態が不明)などが影響して、流通を阻害していることである。また、この慣行は過小な価値評価によって国民の資産額が毀損されていると言え、同時に昨今問題視されている空き家発生理由の一つと指摘することもできる。
そこで、これら問題に対処すべく国策として中古住宅流通の活性化が進められているところであり、その一つとして表題の住宅ファイル制度が検討されている。
これは防蟻業者による白アリ調査、建築士による瑕疵及び耐震診断等、宅建業者による重要事項説明、不動産鑑定士による価格調査に係る書類を一式ファイルにしたものであり、売り主からの依頼に基づき作成されるものである。その結果、詳細かつ信頼性の高い物件情報を買主側に提供することができ、買主側が中古物件に対して抱く不安を解消する効果をもたらすとともに、今までゼロ価値の取引慣行であったものをリフォーム等による増分価値を適正に織り込むことや耐用年数の延長等の抜本的な評価の見直しにより、適正な住宅価格の形成に寄与しようとする制度である。
なお、近い将来におそらく制度化されるものと思われるが、旧来の取引慣行を打破して、市場がこの制度に追随できるかどうかについては、何よりも市場において徹底的に周知される必要があり、また当該制度を利用することによって借入金利の減免を行うことなども重要な要素となるであろうと思われる。

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